すべて衆生の作った、悪道の苦しみを静める浄善を、私は歓喜して喜ぶ。苦しめる者たちに安楽あれ。
私は、衆生が輪廻の苦しみから解脱するのを喜ぶ。また、救済者たちがお説きになる菩薩の境地とブッダの境地とを喜ぶ。
すべての衆生に利益をもたらし、すべての衆生に善福を授ける教示者の、発心の大海を喜ぶ。
私は、合掌をささげて、一切の方角にまします正覚者に懇願する。無智のために苦しみ沈める人々に、法の灯火を作りたまえ。
また、ニルヴァーナに入ろうとする勝者(ブッダ)に対し、合掌をささげて私は懇請する。無限カルパの間、この世界を闇とし給うなかれ。
かようこれら一切を行なって、私が得た浄善、それによって、すべての衆生のすべての苦しみを滅ぼしたい。
よるべなき者のよるべ、旅行者の隊長と私はなりたい。彼岸にわたろうと願う人々の船、堤防、橋となりたい。
すべての生類に対して、灯火を求める者のためには灯火となり、寝台を求める者のためには寝台となり、召使を求める者のためには召使となりたい。
衆生のために、如意味、幸福の水瓶、成就のマントラ、大いなる医薬、如意樹、如意牛と私はなりたい。
あたかも、全空間に住する無量の衆生に、地・水・火・風の元素が、様々に役立つように、一切が(輪廻の苦から解放されて)静安とならない間は、空間に住するすべての衆生が私を享受しうるようになりたい。
往昔のスガタが菩提心を受持したように、そして菩薩の実践規律を定めの通りに遵守したように、そのように、世界の善福のために、私は菩提心を起こそう。そしてそのように、順序に従って、実践規律を実践しよう。
かように賢者は、清らかな喜びに満ちた心で菩提心を発して、さらに後に続く心を養い育てるために、次のように喜びの心を起こすべきである。
「今日、私の生は実を結び、人間つぉいての存在は、得られがいのあるものとなった。今日、私はブッダの家に生まれ、今や私はブッダの子である」と。
そこで今や、己の家柄にふさわしい行いをなす人たちのなす業を、私はしなければならぬ。汚れのないこの家に、汚点が生じないように。
仏法僧と菩薩との恭敬をなし、帰依して、それらの供養するにふさわしい人々に、私は礼拝を捧げます。
悪から退き、すべての功徳を良く守り、すべての人々の功徳をことごとく讃嘆します。
私は頂礼合掌して、正覚者方に、法輪を転じて世界を安らかにしてくださるように、と請願します。
このようになされた功徳や、自らがすでに行った、また未だ行っていない功徳によって、すべての衆生がことごとく無上の菩提心を起こしますように。
すべての衆生がけがれのない感官を完全にそなえ、難を超えて、行いが自由自在となり、正しい生活を送る者となりますように。
すべての衆生が、すべて手に宝を掌握し、すべての資具は限りなく、輪廻にある限りつきることがありませんように。
いつでもすべての女性が、優れた男子となりますように。またすべての衆生が、学と行を具える者となりますように。
衆生が容色を持ち、姿が美しく、威光が優れ、見るに麗しく、病なく、力を具え、長寿でありますように。
あらゆる方便に通じて、すべての苦しみから解放され、三宝に帰依し、覚者の法則の大宝を持つ者となりますように。
慈悲・哀れみ・称賛および、とらわれのない心を持ち、布施・戒・忍辱・精進・禅定・智慧によって飾られ、功徳と智慧の資糧をすべてまどかに具え、相好が明らかであり、不可思議の十地に間断なく進みゆく者となりますように。
私もまた、それら及びその他すべての功徳によって飾られて、すべての罪悪から離れ、すべての衆生を慈しむ最勝の者となり、あらゆる衆生が願望するところの善をすべてまどかに具して、常にあらゆる衆生の苦しみを除く者となりますように。
すべての世界において、いかなる人であっても恐怖を持つ人が、すべての私の名を聞くだけで、全くおそれることがなくなりますように。
人々が、私を見、心に思い、また、ただ名のみを聞いて、浄信をおこし、乱れることなく、心安らかとなり、必ず完全無欠の覚醒に至る者となりますように。
いかなる生であっても、その生に随順する五神通が得られますように。あらゆる衆生に、すべてにおいて常に利益と安楽を与える者となりますように。
すべての世界において、もしある人々が罪悪をなそうとするならば、彼らをすべて害することなく、常に速やかに罪悪へ欲望から離れさせますように。
地・水・火・風・薬草及び樹木を用いるように、常に衆生がすべて欲するままに妨げなく我を用いる者となりますように。
衆生を自己の生命のように愛し、さらに、自己よりも彼らをより以上に愛しますように。自らに彼らが悪を結果づけても、自らの善は余すところなく、彼らに報われますように。
衆生がたとえ僅かであっても未だ解脱していない限り、そのために、無上の覚醒を得ても、輪廻にとどまる者となりますように。
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